- special:特集

チャレンジ企画「サンバ女子がカポエイラを体験してみた」

ジャンルを越えた体験交流企画が誕生!

“チャレンジ”カポエイラ編!!
[Samba ⇔ Capoeira]


“ある分野で体得した技能をもちながら異なったジャンルにチャレンジするとどうなるのか?新たな世界はその目にどう映るのか!!”

ついに始まりました新企画!!記念すべき第1回目は、サンバチーム“G.R.E.S ALEGRIA(アレグリア)”とサンバヘギバンド“Banda Girassol(バンダ・ジラソウ)”でパワフルにヘピニキ(Repinique)を叩く雪野さんが、カポエイラに初挑戦。それぞれの競技の魅力をクロスさせながら、ジャンルを越えた熱い交流が生まれます!!


[2013,6/23 -Vol.1-]

「サンバ女子がカポエイラを体験してみた」

初リポーターの雪野です(´∀`)/

今回は、ブラジルの音楽”サンバ”をやっている女子が、同じくブラジルの格闘技”カポエイラ”に挑戦してみる、と言う趣旨で、このお話をいただきました。

普段はサンバチームやサンバヘギバンドで太鼓を叩いている、ごく普通の文化系女子です。初リポーターで興味のあるカポエイラができるなんて!!とワクワクしていました。

事前に言われていたことは、ただひとつ。「翌日、とんでもない筋肉痛になります。」と。いいですよ~全然( ̄▽ ̄)へっちゃらさ~

さて、体験当日。お世話になったのはCapoeira Axé da Bahia(カポエイラ アシェー・ダ・バイーア)の皆さんです。先ずは自己紹介から。カポエリスタの皆さんは、ポルトガル語のあだ名が付いています。 なんと、私の所属しているサンバチームと同名の”アレグリア”さんがいらっしゃいました! うわっ、嬉しい(^-^)!勝手に共通点を見出して喜んでしまいました。それから、私と同じくカポエイラ初体験の女性がいらっしゃいました。なんとも心強い。

 

 

カポエイラの魅力 其の一 ~音楽~

カポエイラで使う楽器と歌の練習から始まりました。コンガに良く似たアタバキ。サンバでもお馴染みのアゴゴやパンディロ。リズムや叩く手順を教わって、私もカポエイラの音楽にトライです!

サンバよりはテンポはゆっくりですね。叩き方もそんなに難しくない。楽器以外の人は、タン タタタンの手拍子を繰り返すだけです。 また、同時にポルトガル語で歌うんですが、これがまた良いんですよね。 サンバを演奏するときには散々歌いながら叩いていますが、カポエイラの歌はそれとはだいぶ雰囲気が違います。サンバの場合は、メロディラインがハッキリしていて”歌を歌う”感じなのだけれど、カポエイラは喋っている言葉に抑揚をつけて、”ちょっとリズムに乗せてみた”と言う感じで、 ゆったり歌いあげるというイメージです。

南城先生が奏でているビリンバウと言う弓のような楽器 (弓にひょうたんが付いていて、初めて見たときはこれが楽器なのか?と思う形状なのだけれど) そのビリンバウの♪チントント~ンのリズムが全体のノリをつくっている感じがします。その弓の音色が心地よく、さらにループしているのでトランス状態になりそうなのです。



カポエイラの魅力 其の二 ~ジンガ~

カポエイラをちょっと真似てみる!と言ったら、必ずこの動きをするし、勿論、カポエイラでも基本となるステップ=ジンガです。体制は低く、足を大きく後ろに引いて、手は構えの格好。これが凄くカッコイイんです。で、いよいよジンガの練習です。

わ~、カポエイラやってる~、楽しい~(^-^)と喜んでいるのは束の間でした。 段々キツくなってきた(^_^;) 動作きが大きい上に早い。そして、新しい防御”ココリーニャ”が加わります。しゃがんで構えます。 南城先生が「ジンガ、ココリーニャ、ジンガ」と掛け声で合図してくれるのだけれど、 序盤なのにヘロヘロになってきてしまいました。「南城先生、掛け声が早いッス…。」(心の中のつぶやき)

でも、なぜジンガがカッコイイと感じるのでしょう? カポエイラは、植民地時代にアフリカから連行された奴隷たちが主人に対抗するための格闘技として発展したとされています。 そして看守にばれないよう、ダンスのように見せていたことから、格闘技とダンスの両方の要素を持っているのが特徴です。ジンガを速めたものがサンバステップと言うことらしいですが、やはり、サンバダンサーの華麗なステップには憧れますからね。 格闘技の一言だけでは片付けられない、独特な動きがカッコイイんですね。

カポエイラの魅力 其の三 ~側転、足技~

カポエイラが足技中心と言うのは広く知られていますね。足を高く上げ自在に操る華麗なイメージもあります。先ずは逆立ちの練習です。

うわ~、逆立ちするの何十年か振りだな~。忘れちゃったな~と言う感じです。 なかなか足が垂直に上がりません。しかも、顔は床を見てはいけないし、垂直になったところで止まる練習もします。南城先生には「怖くない?大丈夫?」と心配されながらも、小学生時代の体育を思い出して必死に逆立ちです。 自分の体が重い…(´Д`)

それから側転。側転って利き手が関係あるのでしょうか? 左手から床に着く方の側転は何とかできるのに、逆が全然できない(>_<) 初めて気付きましたね! でも、ちょっと出来るようになると、南城先生が「それー!」と言ってくれて安心するので、 「それー!」が聞きたくて頑張っている自分がいました(^-^)v

ジンガからの蹴り(メイア ルーア ヂ フレンチ)、蹴りからの側転(アウー)の練習は、2人1組になって練習でかなりカポエイラっぽくなってきました! 間合いを取り、相手をジッと見て蹴り技をしたり、防御したりします。蹴りと言っても本当に蹴る訳ではありません。

中学生の頃は剣道部だったので、この感覚、なんとなく思い出してきました。 でも、剣道は竹刀を使うからまだいいでんすよ。カポエイラは、からだ全体が武器みたいなもんですから。 動きが激しい、蹴りのタイミングが合わない、足が上がらない…。超初心者っぷり全開です(^_^;)

私のイメージしていたカポエイラって、なんとなく、じゃれ合っているイメージだったんだけど、 やってみると意外と激しいもんだな…と思ったんですが、その謎が解けました! アンゴラ(動きがゆっくりなカポエイラ)と勘違いして体験に来ていたいのですが、 実は、Axé da Bahiaはヘジォナウ(スピードが速く、アクロバティック)の団体でした…(汗) まさかのヘジォナウ!!!だからか…(>_<)  でも、だからと言って暴力性はなく、やはりダンスの要素があるだけに、相手とのタイミング、リズムが大事なんだなぁと感じました。 あと、相手になってくれたAxé da Bahiaの皆さんが、優しく教えてくれるので、ちょっとずつタイミングが掴め、楽しくなってきました!

カポエイラの魅力 其の四 ~ホーダ~

最後にホーダです。

サンバをやっていても、ホーダって良く聞きます。輪ですね。 2人のカポエリスタ以外は輪になり、楽器を奏でたり、歌ったり、手拍子したりします。 まるで、輪の中の2人のカポエイリスタ(ジョーゴしている人)を盛り上げるかの如く。そして、その役割は順番で回っていきます。

ジョーゴを始める時は、まず相手と握手。これ大事ですね!って言うか、カポエイラでもこう言う礼儀みたいなのがあるんですね!武道だけだと思っていました。 握手のあとは、お互い同時に側転し、防御や蹴りの技に入ってきます。 私の苦手な方の側転になると、初めからグダグダになっちゃいますけど(^_^;)

Axé da Bahiaは女性が多いのですが、みんな機敏に動くし、カッコ良く蹴りや防御をしているし、本当にダンスしているみたいに軽いステップで、凄いな~と見とれちゃいます。私もカッコ良くできたら、もっともっと楽しくなるんじゃないかな~。

カポエイラの魅力 其の五 ~融合~

私の場合、カポエイラはジンガのカッコ良さと同時に、音楽に惹かれたところがあります。ビリンバウの音色とか。Axé da Bahiaの女性の方に聞いてみたところ、やはり、ダンスやアクロバテッィクな格闘技、それから音楽…と 色んな要素があるからカポエイラをやってみたくなった、と言う方もいらっしゃいました。ジョーゴしたり、楽器を奏でたり、手拍子して歌うことが、イコール カポエイラなんですね。格闘技の枠にとらわれない、色々な要素の融合こそが、カポエイラの魅力だと改めて感じました。

レッスン終了後に、念願のビリンバウを体験させてもらいました(≧▽≦) この楽器、一人で何種類もの音を奏でるんです。その代わりと言ってはなんですが、左手の小指がめちゃくちゃ痛いです…。

南城先生に丁寧に叩き方を教えていただいて、なんとか出来るようになりました。そして、色んなフレーズを教えてもらいセッションに突入! 楽しくなってきたな~ってところで、弓を支えている左手の小指が”ギブアップ”と言ってきたので終わってしまいましたが(>_<)

その日、私が持ってきたサンバの楽器ヘピニキを披露させてもらったり、サンバの基本ステップを教えてあげたりして、 カポエイラとサンバの、ちょっとした交流会になりました。

Axé da Bahiaの皆さん、本当にありがとうございました。楽しくカポエイラ体験させてもらいました! そして、翌日は全身激しい筋肉痛に。こんなところにも筋肉あったんだ!と自分の体ながらビックリするくらいでした。カポエイラはヒップアップ効果もあるらしいです。これからもちょっとずつレッスン受けようかしら(^-^) !



取材を終えて

雪野さん、体験リポートご苦労様でした。初体験のビリンバウ(Berimbau)の腕前も見事でした。体験後の筋肉痛との闘いも大変だったと思います(笑)。

南城先生、今回の体験企画はいかがでしたか?

「カポエイラの人とはよく係わりますが、そうじゃないブラジルのことをやっている人とは応援することはあっても一緒になって練習する事はあまり出来ないので、本当に楽しかったです。」

カポエイラとサンバ、2つのブラジルを代表する文化が交流を通じて刺激しあいながら、さらに日本で普及していったら嬉しいですよね。

これからカポエイラを始めたい人にメッセージをお願いします。

「“ブラジルが好き”というだけでなく、ダンスやっている人だったり、ストレス解消だったり、たまにきて“あー気持ちよかった”って帰る人も大歓迎です!!最初はあまりブラジルを意識せずにやっていただいて、その中で、ブラジルにどっぷりはまりたい人はポルトガル語の勉強を一緒にして。あとは、帯(段)が上がるごとに少しづつ言葉を覚えていったり、ブラジル文化に触れたり、できるならばブラジルに行ったり・・・。 入り口は広く、誰もが満足できる中でカポエイラを楽しんでもらいたいですね。」

ブラジルにとらわれず、カポエイラをいろんなスタンスで楽しんでもらう。ということが一番大切なんですね。

この日はカポエイラ ヘジォナウ(Regional)の故郷、サルヴァドール(Salvador)で修行中のまきさん&なづきさん姉妹とスカイプで繋がり、雪野さんにも海外中継の気分で会話を楽しんでもらいました。

サルヴァドールとは12時間の時差。 日本は夜、ブラジルは朝。これから朝食を食べて練習に向かうそうです。おもいっきり、カポエイラを楽しんできてくださいね。

修行の様子はブログに綴っています!!

南城先生、Capoeira Axé da Bahiaの皆さん、お世話になりました。サルヴァドールつながりで、今度一緒にサンバヘギを逆取材しませんか(笑)!!!

次回は果たしてどんな2つのジャンルが交流するのか?
皆さんお楽しみに!!

 


雪野 (YUKINO)

長野県出身。5歳からピアノを始め、中学でドラムを始める。 この頃からサルサやサンバのパーカッションに興味を持つようになるが、高校時代は、ジャズ、フュージョン、ロックなどのジャンルでドラムを演奏する。 大学で上京しラテン音楽サークルに所属。サンバチームに参加するなどして、ようやく念願のサンバパーカッションに触れるようになる。
2008年からサンバチームALEGRIAに所属。スルド、ヘピニキを担当。
2009年からGIRASSOLに加入。

★WEBサイトはこちらからどうぞ!
G.R.E.S ALEGRIA
Banda Girassol


Capoeira Axé da Bahia(カポエイラ アシェー・ダ・バイーア)

カポエイラの本場、ブラジル・サウヴァドールでの修行経験のある南城 充 (ナンジョウ ミツル)氏を中心に、 パフォーマンスやライブ、レッスンやワークショップなどの活動を行い、 カポエイラの普及活動を積極的に展開しているグループ。

★WEBサイトはこちらからどうぞ!
Capoeira Axé da Bahia



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