道とドッコン
住んでいる町は未だ60歳になっていないくらいの若い所。
車もバイクも走っているものの、荷物をロバで運ぶ人、馬で移動する人あり。
時々、馬や牛達が連れだって自分達だけで闊歩している。
脱走牛も道路わきを歩いている。
真夏の晴天続きの時など、道路わきに鳥が群がっているなと思ったら力尽きたり車にはねられた脱走牛が鳥に食べられている。
道は、アスファルトよりもChão de Terra(土の道)の方が多い。
土の道は雨が降るとすぐ溶けてガタガタのボコボコになって車へのダメージが大きい。定期的に土を追加して道を均してくれることもあるが、また雨が降るとあっという間にボコボコ。
逆に晴れが続くと土がふわふわになってきて、坂でタイヤが空回りするので、田舎の運転に慣れていない観光客が時々坂の途中で困り果てている。
更に砂埃が舞いまくるので、前に他の車が走っていたり、対向車とすれ違う時は舞い上がった砂埃で周りが何にも見え無くなる。とりあえず窓を閉めて車の中に入ってくる砂を防ぐ。
近頃はそんなボコボコの道を徐々に石畳に作り替えてくれているが、しかし、地盤がしっかりできていないので時間が経つと石畳も陥没してボコボコの更にハードな道になってくる。
100km圏内は信号が無い。その代わりに、いたるところにQuebra mora(ケブラモーラ)、自分の中での通称:ドッコンがある。このドッコンは他の国にもあるのだろうか?
道の途中で道が盛り上がっているので(逆ドッコンもある:道がへこんでいる)、車やバイクはスピードを落としてドッコンをやり過ごすのである。時々気づかずにドッコンに突入すると車がジャンプするしなかなかの衝撃を受ける。
アスファルトの道ではみんなスピードをかなり出すので、民家ゾーンの近くやバス停のそばになるとドッコンがあり、車達にスピードを落とさせるようになっている。
去年末、突然近所のとある数キロの区間にドッコンが6個もできていた!!
なんて面倒な!!しかも坂の途中…。
聞くところによると、その区間で子供がはねられたり交通事故が多かったそうで
一気に6個も作ったとか。みんなマニュアル車なので、運転が大変そう。
ドッコン近くになると、いちおう予告の看板がある。
そろそろだと思うと、みんなドッコンに備えてスピードを落とし始める。
時々フェイクドッコン予告看板もある。
予告によってみんなスピードを落とすからそれで良し的な。
フェイクで減速してドッコンが無いととてもくやしいもんです。
この町に信号ができる日がいずれ来るのだろうか?!
アテマイス!!
おまけ
アスファルトの下の地盤が緩いため、大きな道路が穴だらけでひどい状態が続いており、穴を避けて運転することによる事故も増えている。
4月頭に、住民たちが修復してくれー!!という抗議運動をしていた。
街と街を結ぶ一本の道路を、タイヤを燃やして封鎖する。
その気持ちにはみんな賛成だがしかし、う回路は土の道だけなのでキツイ。
Vol.8「あこがれのアアゾンへ」
Vol.7「ビザのこと(学生ビザ編)」
Vol.6「ビザのこと(観光ビザ編)」
Vol.5「festaシーズン」
Vol.4「滝~cachoeira do Buracão」
Vol.3「Feira仕事」
Vol.2「道とドッコン」
Vol.1「日本から三日。Chapada Diamantina」
Text&photo:ネコチョッキ
ブラジル・バイーア州在住
カポエイラを習い始めたことをきっかけに、数回の渡伯を経て
現在はバイーア州の田舎に猫と恋人と住んでいる。